DXへの取り組みは早ければ早いほど良い?

「DXが重要なのはわかっているが、うちの規模ではまだ早い」「業務が落ち着いてから着手すればいい」――そう考えて先送りにしている企業は少なくありません。本当に、後回しにしても問題はないのでしょうか。

結論:業務にITを活用しているなら早い方がいい

業務にITを活用しているのであれば、早い方が良いです。重要なのは「いつやるか」というスケジュールの話ではなく、先送りした期間の分だけ後から支払うコストが積み上がっていくという構造を理解しているかどうかです。

DXにおいて一番困難なことは「習慣化したアナログ作業」のデジタル化

単純に作業を置き換えられるだけであれば、DXは難しくありません。難しいのは、長年かけて習慣化してしまったアナログな作業をデジタル化することです。

多くのアナログな作業には「人によって微妙に違う」が発生します。フォーマットだったり、作業の順番だったり、承認の通し方だったり――同じ業務のはずなのに、担当者によってやり方が少しずつ異なります。DXの現場では、この微妙な違いをそのままデジタル化しようとしがちです。しかしこれが、システムの複雑化に加えて、デジタル化の利点が見えなくなる原因の一つになります。すべての例外パターンを吸収しようとするほど、システムは分岐だらけになり、結果として「紙の方が早かった」という状態を招きます。

最初からITで動かせば、決まった型が強制される

一方、最初からITで業務を動かすことにすれば、あらかじめ決められた順番・決められたフォーマットでの作業が自動的に強制されます。「人によって微妙に違う」余地がそもそも生まれません。

この状態になっていると、集計や検索が非常に楽になり、自動化もしやすくなります。業務が型にはまっているからこそ、システムはシンプルなまま機能します。

先送りするほど、あとから払うコストは雪だるま式に増える

DXを後に後にと先送りしていると、その期間に増えたアナログな作業をデジタルに落とし込む負担がどんどん積み上がっていきます。人が増え、拠点が増え、取引先が増えるたびに、「人によって微妙に違う」やり方のバリエーションも増えていくためです。

先送りは一見コストを回避しているように見えて、実際には未来の自分に利息付きで請求書を回しているだけです。業務にITを活用しているのであれば、早期にDXへ着手することを推奨します。