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レビューと評価

確認作業は非常に大事です。「見たつもり」で後々大きなトラブルが発生することもあります。
信頼関係のある企業であっても、確認については慎重に行いましょう。

1. なぜレビューが重要なのか?

業務システム開発では、要件定義書や設計書、試験仕様書など、さまざまなドキュメントが作成されます。
これらを正しくレビューし、内容を確認・評価することは、以下のようなリスクを防ぐために不可欠です。

  • ❌ 要件の誤解や抜け漏れ
  • ❌ 業務に合わない仕様のまま開発が進行
  • ❌ テスト項目の不足による不具合の見逃し
  • ❌ 納品後の手戻りや追加費用の発生

2. レビュー対象となる主なドキュメント

  • 📄 要件定義書:業務上の目的や必要な機能が正しく整理されているか
  • 🧩 基本設計書:画面構成や業務フローが業務に合っているか
  • 🛠️ 詳細設計書:入力項目や処理ロジックが業務ルールに沿っているか
  • 🧪 試験仕様書:必要なテストケースが網羅されているか、業務シナリオに沿っているか
  • 📦 マニュアル・操作手順書:現場の利用者が理解できる内容になっているか

3. レビューの進め方とコツ

  • 複数人でレビューする
    → 業務担当者、システム部門、現場利用者など、異なる視点で確認することで抜け漏れを防げる

  • チェックリストを使う
    → 「業務フローに沿っているか」「例外処理が記載されているか」など、確認項目を明文化する

  • レビューコメントは具体的に書く
    → 「わかりにくい」ではなく「この処理の対象条件が曖昧です」など、指摘の意図を明確に

  • レビュー結果を記録に残す
    → 指摘内容と対応状況を一覧化し、後から見返せるようにする

  • 承認は“納得してから”行う
    → 疑問点があるまま承認せず、納得できるまで確認・相談する

4. よくある確認漏れとそのトラブル例

トラブル内容 原因となった確認漏れ 発生後の影響
顧客マスタに不要な項目が追加された 要件定義書のレビューで業務担当が確認を省略 開発後に仕様変更、追加費用と納期遅延
帳票の金額表示が税抜になっていた 設計書のフォーマット仕様を見落とした リリース後にクレーム、再リリース対応
テスト項目に例外処理が含まれていなかった 試験仕様書のレビューが形式的だった 本番でエラー発生、緊急対応が必要に
操作マニュアルが専門用語だらけ 現場ユーザーによるレビューがなかった 利用者が使い方を理解できず、問い合わせが殺到

5. レビューを文化にするために

  • 🧑‍💼 「レビューは品質を守るための投資」と認識する
  • 📅 スケジュールにレビュー時間を組み込む
  • 🗣️ レビューしやすい雰囲気をつくる(指摘しやすい・されやすい関係性)
  • 📚 レビューの教育を行う(新人や非IT部門にもレビューの意義を共有)