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業務システムの運用・保守ガイド

「システムは開発してからがスタート」と言われるほど導入後が肝心です。
現場のためのマニュアル作りや問い合わせ対応、想定していなかったデータへの対応、データ量増加に伴うパフォーマンス劣化など、必要なタスクは意外と多いです。

1. 運用・保守とは?

業務システムの「運用・保守」とは、システム導入後に安定して使い続けるための活動です。
単なる不具合対応だけでなく、業務の変化や利用者の声を反映しながら、継続的に改善していくことが重要です。

2. 運用・保守の主な内容

  • 🔧 障害対応・不具合修正
    → システムのエラーや不具合が発生した際の調査・修正対応

  • 📈 業務変更への対応
    → 業務フローの変更や制度改正に伴う機能追加・修正

  • 🧑‍💼 ユーザーからの問い合わせ対応
    → 操作方法や仕様に関する質問への回答、マニュアルの更新など

  • 📊 利用状況のモニタリング
    → アクセス状況や処理件数などを分析し、改善のヒントを得る

  • 🔁 継続的な改善提案と改修
    → 利用者の声をもとに、画面や機能の使いやすさを向上させる

3. ユーザーの声を活かす改善サイクル

業務システムは「導入して終わり」ではなく、「使われて育つ」ものです。
現場の利用者からのフィードバックを定期的に収集し、改善につなげることで、業務によりフィットしたシステムになります。

改善サイクルの例:

  1. 🗣️ 現場からの声を集める

    • 操作しづらい画面、よく使う機能、不要な項目などをヒアリング
  2. 📋 改善要望を整理・優先順位付け

    • 影響範囲や業務効果をもとに、対応の優先度を決定
  3. 🛠️ 改修・リリース

    • 小規模な改修を定期的に実施し、業務負荷を軽減
  4. 📣 改善内容の周知と教育

    • 利用者に変更点を伝え、操作方法を共有する
  5. 📊 利用状況を分析し、次の改善へ

    • 改善の効果を確認し、次の課題を見つける

4. 発注側が意識すべきポイント

  • 保守契約の範囲と対応時間を明確にする
  • 業務変更の際は早めにベンダーと相談する
  • 現場の声を定期的に拾う仕組みをつくる(例:月次レビュー、アンケート)
  • 改修履歴や問い合わせ内容を記録・共有する
  • 改善提案を受け入れる姿勢を持つ(ベンダーからの提案も活用)

5. よくある運用・保守の課題

課題 原因 対策
利用者からの不満が増える 改善要望が放置されている 定期的なヒアリングと対応状況の共有
業務変更に対応できない 保守契約が限定的、要件が不明確 契約範囲の見直しと業務変更の事前共有
改修内容が現場に伝わらない 情報共有が不足している リリースノートや説明会の実施
改修が属人化している 記録や引き継ぎが不十分 改修履歴の管理とドキュメント整備

まとめ

運用・保守は、業務システムの「品質を維持し、価値を高める」ための重要なフェーズです。
現場の声を活かしながら、業務に寄り添った改善を続けることで、システムは真に使われるものになります。