SOFTWARE+TECHNOLOGY PARTNER

一覧へ

開発方式について

業務システムの開発では、目的や業務の特性に応じて最適な開発方式を選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な5つの開発方式について、業務システム向けの観点から解説します。

1. ウォーターフォール開発

ウォーターフォール開発は、要件定義 → 設計 → 開発 → テスト → 納品という工程を順番に進める「直線型」の開発方式です。
業務システムの開発では、この手法が採用されることが多いです。

  • メリット
    • 計画が立てやすく、進捗管理がしやすい
    • 文書化がしっかりしており、品質管理に向いている
  • ⚠️ デメリット
    • 途中での仕様変更に弱く、開発処理の要求定義や要件定義に誤りがあれば開発全体に影響を及ぼす
    • 実際の動作を確認できるのが後半になる

向いているケース:要件が明確で、変更が少ない基幹業務システム

2. アジャイル開発

アジャイル開発は、1〜2週間程度の期間(スプリント)で設計・開発・テスト・リリースを繰り返す「反復型」の開発方式です。

  • メリット
    • 柔軟に仕様変更に対応できる
    • ユーザーのフィードバックを反映しやすい
  • ⚠️ デメリット
    • 全体像が見えにくく、管理や開発完了までの費用見積が難しい
    • 発注企業側の計画変更や確認・承認などの作業負担が大きい
    • ユーザーの認知負荷が大きい

向いているケース:業務の変更が大きくサイクルが早いシステム。BIや名刺管理など、特定の機能にフォーカスしたシステム

3. スパイラル開発

スパイラル開発は、リスク分析を重視しながら、段階的にシステムを拡張していく方式です。

  • メリット
    • リスクを早期に発見・対処できる
    • 大規模開発でも柔軟性を保てる
  • ⚠️ デメリット
    • 計画と管理が複雑になりやすい
    • 開発コストが高くなる傾向

向いているケース:品質重視・複雑な業務を含む大規模プロジェクト

4. MVP開発(Minimum Viable Product)

MVP開発は、まず「最低限の機能だけを持つ製品」を短期間で作り、ユーザーの反応を見ながら改善していく方式です。

  • メリット
    • 早く業務に導入できる
    • 実際の利用者の声をもとに改善できる
  • ⚠️ デメリット
    • 最初の製品は機能が限定的
    • 長期的な設計が後回しになることも

向いているケース:新規業務や試験的な導入、段階的な展開を想定する場合

5. プロトタイプ開発(PoC・検証型)

プロトタイプ開発は、業務システムの一部を試作し、実際の業務処理(登録・検索・帳票など)やUI/UXを含めて検証する方式です。
PoC(概念実証)やユーザーインタビューを通じて、業務に合うかどうかを見極めることが目的です。

  • メリット
    • 実業務に近い形で検証できる
    • ユーザーの理解と納得を得やすい
    • 要件の精度が高まる
  • ⚠️ デメリット
    • プロトタイプの精度に時間とコストがかかる
    • 本番用に再構築が必要な場合もある

向いているケース:業務要件が複雑・曖昧で、現場検証を重視したい場合

開発方式の比較表

開発方式 柔軟性 品質対策 開発リスク 管理しやすさ
ウォーターフォール
アジャイル
スパイラル
MVP開発
プロトタイプ