業務システムの開発では、目的や業務の特性に応じて最適な開発方式を選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な5つの開発方式について、業務システム向けの観点から解説します。
ウォーターフォール開発は、要件定義 → 設計 → 開発 → テスト → 納品という工程を順番に進める「直線型」の開発方式です。
業務システムの開発では、この手法が採用されることが多いです。
向いているケース:要件が明確で、変更が少ない基幹業務システム
アジャイル開発は、1〜2週間程度の期間(スプリント)で設計・開発・テスト・リリースを繰り返す「反復型」の開発方式です。
向いているケース:業務の変更が大きくサイクルが早いシステム。BIや名刺管理など、特定の機能にフォーカスしたシステム
スパイラル開発は、リスク分析を重視しながら、段階的にシステムを拡張していく方式です。
向いているケース:品質重視・複雑な業務を含む大規模プロジェクト
MVP開発は、まず「最低限の機能だけを持つ製品」を短期間で作り、ユーザーの反応を見ながら改善していく方式です。
向いているケース:新規業務や試験的な導入、段階的な展開を想定する場合
プロトタイプ開発は、業務システムの一部を試作し、実際の業務処理(登録・検索・帳票など)やUI/UXを含めて検証する方式です。
PoC(概念実証)やユーザーインタビューを通じて、業務に合うかどうかを見極めることが目的です。
向いているケース:業務要件が複雑・曖昧で、現場検証を重視したい場合
| 開発方式 | 柔軟性 | 品質対策 | 開発リスク | 管理しやすさ |
|---|---|---|---|---|
| ウォーターフォール | △ | ○ | △ | ◎ |
| アジャイル | ◎ | ○ | ○ | △ |
| スパイラル | ○ | ◎ | ○ | ○ |
| MVP開発 | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| プロトタイプ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |